| 山行報告 | |
【報 告 者】 | キーボウ |
| 【日 時】 | 2008年4月28日(月) | |
【参 加 者】 | 島地瓶、キーボウ | |
【日 程】 | 大崩山荘(5:30)〜蜘蛛の糸取り付き(6:45/7:00)〜中央ベランダ(11:45/12:00) 〜
小積ダキの頭(15:30/15:45)〜大崩山荘(17:15/17:30)〜登山口(17:50)=美人の湯(18:00) |
【大崩山−小積ダキ(蜘蛛の糸ルート)・・・マルチピッチクライミング】(2008/04/28)
≪ 報 告 ≫
27日の広タキスラブに続き、今日は「本ちゃん」のルート「小積ダキ」だ。ここは、2004年の5月に一度登ったことがある。このときは、「蜘蛛の糸」を
5.13クライマーのる氏とFYKのかおるこさん、「中央稜」をピナクルの山姫と僕とで登った。今回は蜘蛛の糸を選んだ。中央稜よりは難しいけど、中央稜の最初の
3ピッチは、切れそうなリングボルトでの人工登攀となるので精神的にまったく良くない。
6時過ぎに「大崩山荘」を出発し、一般道の湧塚コースと分かれて小積谷に入る。一回通ったはずなのに取り付き点の入り口を少し通り越してしまった。
20分程度のタイムロスで、見覚えのある中央稜の取り付き地点に到着。その10mくらい奥が蜘蛛の糸の取り付きだ。
ここで、ギアを準備していざスタート。今日は島地瓶氏とつるべで登ることにした。1,3,5・・・の奇数ピッチを僕が、2,4,6・・・の偶数ピッチを島地瓶氏が
リードだ。
1ピッチ(キーボウ);スタートは少し右に傾斜したチムニー、ザックが小さいから登れるかなと思ったがやはり厳しい。3mくらい登ったところにザックをデポ。
空身で登ることにした。最初狭かったチムニーはだんだん開いてきて、バックアンドフットが決まるようになる。抜け口のところの右側の立ち木にお助け紐が残置して
ある。これを掴んでチムニーから抜け出して右側のビレイポイントに達した。島地瓶氏も慣れないチムニーで苦戦。やっとのことで登り上がるが、ザックの引き上げが
結構難しい。引っかかりながらも何とか引き上げ、次のピッチへ。
2ピッチ(島地瓶);ここは、アブミの架け替えに終始する。ボルトはペツルのハンガーで安心できる。草付に達したら立ち木でビレイ。
3ピッチ(キーボウ);次は草付の凹角となる。凹角を詰め立ち木で頭を抑えられそうになると左の壁に乗り移る。壁にはガバがたくさんあるが、フットホールドが
今一歩遠い。なんとか乗り込んで壁を左側に越えるとそこにビレイポイントがある。足元の岩はしっかりしている。4年前にかおるこさんが掴んだ浮石はもう落ちている
ようだ。浮石と一緒に落ちることより、自分だけが落ちることを選択したかおるこさんの判断に感心した。
4ピッチ(島地瓶);次も人工(A1)だ。ひたすら上へ上へと真っ直ぐ登っていく。一部、ピンの間隔が遠いところもある。向かいの湧塚の見通しが良くなり、高度感が
増してくる。
5ピッチ(キーボウ);フリーに人工を交え、カンテを右に回りこみ直上するとハングにぶつかる。ハングと左の壁の隙間に入り込むと安全に登れるようだ。ザックを
背負っては入れないのでここに再度ザックを残置して空身で登りこむ、以前は草付があってそれを捕まえて登れたようだが今は草付は見当たらない。カムをセットし、
これにアブミを掛けて越えることにした。でも、もっと易しい登り方もあったかも。更にぼろぼろの草付を登るとビレイ点に達した。ここは大きいテラスだ。もう、
中央バンドに達したはずなのだがそれらしい様子が無い。正面に2mくらいの壁があるので左に回り込もうとしたが無理そう。やはり正面を突破するしかないようなので、
島地瓶氏にカンテ状のところから越えてもらった。あっさり越えることが出来すぐにブッシュ帯に入る。左からの中央稜下半部4ピッチ目からの道と合流すると、
6ピッチ目になるチムニーの下に達した。ここから、中央稜のルートになる。(本来の「蜘蛛の糸」のルートは前回も、る氏が探したが見つからなかったようだ。
登った記録は見かけない)ここで、若干の休憩。まだ12時には達していないが5時間近い奮闘は結構疲れを覚える。
6ピッチ(島地瓶);このピッチは、ロープの流れを考えて二つに分けることにする。下半分の広目のチムニーを島地瓶氏が空身でリード。1ピッチ目のチムニーより
はかなり易しいがなかなか力が入る。
7ピッチ(キーボウ);後半のスクイズチムニーは左側が20〜30cmのクラックとなったものだ。左足をチムニーに入れて這いずり上がれば登れそうだったが、
前回もひどく厳しかったことを覚えていたので、最初からA0で臨むこととした。
最後の抜け口はやはり厳しい。少し上のブッシュ帯の立ち木でビレイ。次のピッチを8ピッチ目とする。
8ピッチ(島地瓶);ブッシュを少し登り、右手にある下のトンネルをくぐる。島地瓶氏もきっちり抜けられたようだ。すぐにビレイポイントに到達。
9ピッチ(キーボウ);ここは快適なクラックやフレークだと思ったら、後半は草付の凹角となり、草付はいまにも落ちそう。そこで、生のツツジの生えた草付は落とす
こととした。これを掴んで登ってもどうせ落ちるだけだろうとの判断からだ。ビレイの島地瓶氏に岩陰に隠れてもらい、一気に引っ張ると土の塊がばらばらになって
ビレイポイントあたりに落ちていった。二人とも泥だらけになってしまった。草付がなくなると、泥が露出してきており、きれいに除去すれば良いのだろうがそんな時間は
ないのでなんとか耐えて、ビレイポイントまで登りきった。
10ピッチ(島地瓶);ビレイポイントは凹角の真っ只中。更に凹角を登る。ここは、前回もカムでA0としたところだ、島地瓶氏もA0で越える。5mも登ると上の窓に
到達。この窓は通り抜けないで窓の上を越えて、更にカンテをアブミトラバースで右に回りこむ。回り込んでしまうとトップは見えなくなる。なかなかコールが聞こえない。
じっとしていると寒くなって来た。もう、体を動かしたいなと思っていたらコールが聞こえた。セカンドの僕はトラバース部はA0で抜けることができた。右側のルンゼっぽい
ところに入るとホールドがぼろぼろ、小さい落石もたくさん。苦戦のあとが伺えた。
11ピッチ(キーボウ);いよいよ最後のピッチだ。3mばかり右にトラバースしてクラックを直上する。これも、フリーでは相当厳しい。3箇所くらいカムをセット
してA0で登る。しかし、前回もそうだったけど、クラックの上は左に回りこんで一旦切ってビレイするのが良かった。きっちりとしたビレイポイントが見えた、がすでに
かなり登り上がっている。スラブの段違いがぎざぎざのフレークとなっているのでそこを使って登りきるしかない。すでにカムはなくなってしまった。もうかなり
ランナウトしている。気休めのナッツをセットし(あとでフォローの島地瓶氏が確認したら抜けていたそう)気合で登りきる。とうとう、終了点に到着。島地瓶氏の到着を
待って右に回り込み小積ダキの頭に立った。時刻は15:30頃、長い長いクライミングだった。グレード以上にというか、はるかに難しいルートだった。ここを登ってみる
と昨日の広タキスラブはゲレンデに思えるほどだ。
充実感一杯で、アケボノツツジの咲き乱れる坊主尾根を下って行った。大崩山荘で荷物をまとめ、登山口に着いた時は18時前だった。長い一日だった。
美人の湯に浸かると結構あちこちが痛い。結構傷だらけになっていたようだ。温泉の後は、民宿「大崩の茶屋」で乾杯。鹿の刺身や猪の煮物、筍寿司など山の幸を
十分堪能し、長かった一日を締めくくった。同行いただいた島地瓶さん、お疲れ様でした。次もまた、厳しくも楽しいルートを登りましょう。
【小積ダキ ルート図】
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