| 山行報告 | |
【報 告 者】 | キーボウ |
| 【日 時】 | 2008年8月9日(土) | |
【参 加 者】 | yamaaki、ユジン、キーボウ | |
【日 程】 | 御池小屋(3:10)〜二股(3:35)〜十字クラック取り付き(5:30)〜下部フランケ取り付き(9:00)〜マッチ箱のピーク(13:00)
==懸垂下降==下部岩壁下(18:00)〜御池小屋(20:00) |
【南アルプス1−北岳バットレス・・・マルチピッチクライミング】(2008/08/09)
≪ 報 告 ≫
9日は、3:10に御池小屋を出て、それぞれのルートへ!
二股を過ぎ、急な大樺沢雪渓の右端を登りあがるとバットレス沢出合いの目印の大岩だ。ここで、ゼルプス・ますも組と分かれてもう一つ上部の沢(C沢の入口)
から右上した。沢の左側のブッシュ帯に入ると踏み跡があり、急登を詰めると十字クラックの直下に達した。いよいよ、下部岩壁ではもっとも難しい「十字クラック」
への挑戦だ。
1ピッチ目(20m;VI-)は、いきなりのVI級クラック。空身ならなんとか突破できる可能性はあったが、ザックを背負ってのクライミングは難しい、ここまで急坂を
登ってきたことによる筋肉の疲れか、あるいは無理なムーブのせいか、太ももの筋肉に痙攣を起こしてしまった。しばらく、じっとしていたらようやく動けるように
なってきた。このため、カムで目一杯A0。奮闘の末、核心のコーナークラックを抜けることができた。十字の左側でピッチを切る。2ピッチ目はVI級で40mだが、
ロープの流れを考えて、20m登ったハング下でピッチを切る。VI級ということだが1ピッチ目より易しい。トポによると3ピッチ目は40m+20mの60mになるが、
とにかくトライ。ハング越えだが一番易しそうな左側のハングを目指す。ハング越えもスムーズにでき、逆層のスラブをたどってなんとか50mでブッシュ帯に到達立ち木
でピッチを切る。
この3ピッチで下部岩壁を抜け、左にトラバースし、「ピラミッドフェース」を登ろうとしたが、明治大学山岳部の方たちで渋滞していたので、更に左の
「下部フランケ」にトライ。
スラブ状を1ピッチ登り、緩傾斜帯でピッチを切るとそこが「下部フランケ」の始まりだ。この1ピッチ目も難しい。とてもフリーでは越えられず残置のシュリンゲを
使ってA0。凹角のビレイ点へ!
2ピッチ目以降は凹角の登りが3ピッチ続く。ここも結構厳しい、時々A0を交えることになる。
さて、左にトラバースして「上部フランケ」の取り付きかなと思うが左には何もルートは無い。
見上げると右上に残置のシュリンゲがあるのでこちらを登る。と、右へ右へと導かれ、到着したのは4尾根の2ピッチ目だった。後からネットで調べてみるとこちらに
間違ってきたグループもあるようだ。
4尾根に出ると安全なクライミングができる。4ピッチ伸ばしてマッチ箱のピークまで到達。が、ここで、雨・雷・雹までのおまけ付き。気温は20度から10度へと
急降下。雷が一番恐い。さっさと敗退を決めた。フリーで登れるところも含め、10回くらいの懸垂下降を繰り返してBガリー下まで達した。濡れたロープでの懸垂では
ロープが絡まりやすくてこずる。この時にはすでに18:00過ぎとなってしまいまった。その後、御池小屋に戻ったのは20:00と本当に厳しい1日だった。
このルートは4尾根とはまったく違った、結構骨のあるルートだった。僕がオールリードしましたが、Yamaakiさんもユジンさんもよく頑張ったと思います。
この経験は十分生きることでしょう。
(感想ユジン)
感想は一言…
後から考えてみると、かなり楽しかったです
(感想yamaaki)
北岳バットレスという有名なルートを登るという事で、セカンドではあったけど素晴らしい経験ができた。厳しかったのはマルチのルートの取り付きまでの急登、
4尾根に達するまでのA0が多く混じったルート、他のクライマーによる混雑の状況、天候の悪化等々…。 数々の悪条件が重なった。そして17時間行動という体力的にも
限界に近い状況を経験した。厳しかったが、自分に足りない沢山のものを認識したと共に、ここまで動けるんだという確認もできた。山頂を踏んで素晴らしい景色を見る
事と引き換えに得た貴重な体験は何物にも代えがたい。そして、そのような経験が出来たのはリーダ、ザイルパートナーのお陰! 感謝!
【ルート図;「夜も山歩き」のHPを引用 http://marumeno.hp.infoseek.co.jp/index.html#aa】
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