【日向神フリークライミング】(2009/02/15)

≪　報 告　≫

　技術の必要な山行をしたいという思いから，あそ望の扉を叩いたのが一月前．それから県体壁でフリークライミングを２回経験し，本日が初の外岩となった．
　8：30に植木町役場に集合し，キーボウさん，Yamaakiさん，ひだぼうさんと日向神へ向かう．松瀬ダムの辺りへ来ると，前方に黒岩が見えて少し興奮したのもつかの間， 黒岩隧道を抜けた眼前に見える奥日向神の岩並に圧倒された．周囲の岸壁に見惚れているうちに駐車スペースに到着．そこで福岡からのゆじんさん，Ｋさんと合流し， 愛のエリアへ向かった．愛のエリア上部の岩の初見は，綺麗な一枚岩だが，クラックや凹凸があり，何とか登れそうという印象．岩に打たれたリングボルトを見て 「これがルートか」と一人で納得した．
　いよいよクライミング開始．まずはキーボウさんやゆじんさんがヌンチャクを掛けるのを観察して，外岩のイメージを探る．県体壁と違うのは，ホールドを探す動作が 慎重になるところか！？岩肌に指やつま先を当てて効きを確認する動作は，クライミングらしくてカッコいい！続いてＫさんが，私のこの日の課題であった 「夢中歩行（5.9）」に挑んだ．いつの間にかオンサイトを狙うことになっていた私はじっくり見ていなかったのだが，最上部に核心があるらしく，結局そこでテンションが かかってしまった．

　さていよいよ私が挑戦．岩の前に立ち，ハーネスにロープを掛けたあたりで，初めての外岩で，いきなりリードで，ちゃんとクリップできるのかと，少し緊張してきた． しかし，とにかく登り始める．一手々々探しながら慎重に登って行く．「夢中歩行」はガバガバと言われていたが，人口壁のガバとは勝手が違う．どこでもホールドとして 使っていい分だけ，どこが正解なのか悩む．人口壁との違いに戸惑いながら１ピンにクリップして少し安心した．その後もクラック，レイバック気味のホールド，テラスへ の乗り越え等，県体壁では経験していない動作が目白押しの中，落ちないようにじっくり登って行く．足さえ決まっていれば，垂直に思える岸壁でも立っていられるのが 新鮮で面白かった．気付けばビレイヤーのYamaakiさんはかなり小さくなり，樹木よりも上に出ており，奥日向神のすばらしい景色が広がっていた．クリップ間近だと墜落 の恐怖はあったものの，高さに対する恐怖はあまりなく，反対に高度感と眺望のすばらしさと風の心地よさに爽快感を感じた．さて，いよいよ核心である．まずは終了点に 向けて右から攻めるか左から攻めるかで四苦八苦する．クラックの間に太ももをねじ込んで下半身を固定し，手でホールドを探すもなかなか見つからない．何分そうしていた かわからないが，何とか右手のホールドを見つけ，一歩前進した．次に右足を乗せ，後は左足を決めて乗り込めば左手が終了点直上のガバに届くはずであった．しかし， 左足が決まらない．ここが核心！ここでもかなり粘って左足ホールドを探したが，きっちりしたホールドは見つからなかったので，頼りない左足ホールドを信じて一か八か で飛んだ．そして，外岩で初の墜落．オンサイトならずであった．宙ぶらりんで正解ホールドを探すと，チョークの粉のついた窪みを発見した．このホールドは岩上に立つと 死角になって見えないのだ．再び核心に挑戦すると，無難にクリアできた．

　「夢中歩行」のムーブが解決したところで，Yamaakiさんと後から到着したフジミさんが「狸のモモコ（5.10ｂ）」に挑んでいる所へ合流し，一緒に登らせていただく． 「狸のモモコ」はルートが短くて気分的に取り付き易く，またボルダー的なムーブが面白い．三人でムーブを考えながら何度か挑戦し，Yamaakiさんは二度目でRPしたが， 私とフジミさんは結局登れぬまま昼食時間となった． 　午後はいよいよ「夢中歩行」のRPを目指した．二度目はスイスイ登れていくことに驚いた．一回目の登攀にあれほど時間を費やしたのが嘘のようである．最上部の核心も， すでに解決済みだったため一発でクリアし，RP成功となった．うれしさ半分，オンサイトできなかった悔しさ半分のRPとなった．疲労のせいで，終了点にクリップ後すぐに ダウンしてしまい，登りきった余韻に浸る時間が短かったことが，心残りである．
　その後は，いつのまにかＫさんがRPしていた「狸のモモコ」に，フジミさんと挑む．何回目かの挑戦で，力技で核心を乗り越えることに成功し，上部のスラブも ゆじんさんのアドバイスに助けられて，なんとかワンテンで登りきることができた．そして，日も傾いてラストチャンスとなったところでRPすることができた．
　この日は，キーボウさんが「エレキバン（5.11c/d）」をRP，Yamaakiさんが「狸のモモコ（5.10ｂ）」をRP，ひだぼうさんが「花鳥風月（5.11a）」をRPされていた．

　天候に恵まれ，木漏れ日の中でのんびりとクライミングに浸る一日は最高だった！今年は外岩三昧の一年になりそうな予感がする．最高の外岩デビューとなったのは， 同行していただいた方々，ビレーしていただいた方々のおかげです．ありがとうございました．今後もよろしくお願いします！