| 山行報告 |
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【報 告 者】 | 島地瓶 |
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【日 時】 | 2009年05月23日(土)〜24日(日) |
【参 加 者】 | 島地瓶(L)、toku、テツ |
【コースタイム】 |
22日 大津町20:30 九折登山口22:30
23日晴れ 九折登山口5:15 三ツ尾7:06 傾山9:23 九折越10:48 笠松山12:10 本谷山13:22 ブナ広場14:25
24日晴れのち曇り ブナ広場4:00 古祖母山5:51 障子岳6:54 祖母山8:40 祖母山9合目小屋9:00 大障子岩11:50 前障子13:24 上畑15:33 九折登山口16:34
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【天 気】 | 晴れ
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【編 集】 | yamaaki
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【祖母傾縦走】(2009/05/23-24)
22日、いつもの駐車場に集合、竹田経由で登山口へ。鹿を何度か見た。登山口には先客のテントが一張り。われわれは東屋の土間に陣取り、翌日の準備とささやかな酒宴をして就寝。星空が美しかった。
23日、4時半起床。うどんを食べてパッキング。山中一泊にしてはtokuさんとテツさんのザックがでかい。延々とアップダウンを繰り返すコースなので、できるだけ荷物を軽量コンパクトにしないと辛かろうと、計画書作りの段階で装備を絞っておいたのだが、それぞれが自分のボッカ能力と相談して決めた結果と判断し、あえて干渉しないことにした。水は各自3〜4gを用意して出発。すでに明るくなっておりヘッドランプは最初から使わなかった。
コンクリート道路をしばらく登り、九折越への分岐を見送ると程なく山道になる。木々の間から見える観音滝に一同歓声を上げる。渡渉点の水量は少なく問題はなかった。林道までの急登で一時的に息が切れた。続いて、三ツ尾への登りにかかる。最初は尾根の左側は植林で単調。ペースの上げすぎに注意を払いながらひたすら高度を稼ぐ。植林が途切れ割と平坦になった場所で小休止。地形図を見ると三ツ尾は目と鼻の先だ。
三ツ尾のあたりから朝日を受けたブナの新緑がまぶしい。下草もなく、快適な尾根歩き。長野出身のテツさんも満足のトレイルである。三つ坊主の分岐は当然三つ坊主経由を選ぶ。少々歩きにくいところもあるが、目印のテープも張ってあり適度なアップダウンが続く。岩峰に立つと縦走路が一望できる。これを明日の夕方までに歩き通すのかと思うとわくわくする。
ロープが固定さている岩場もあるが、クライミング経験者なら全く問題ないコースである。
傾山には予定通りのタイムで到着した。
大休止を入れ、抜群の展望を楽しんだ。九折越までの下りは宮崎方面からの登山者がぞろぞろ上ってきていた。新緑のトンネルを抜け、九折越の広場に出た。水の残量をチェック。全員ブナ広場まで持ちそうなので水場はパス。九折越小屋の前では鹿が木の皮を食べていた。カメラを構えて15bほどまで近づいたが、逃げないところを見ると、人なれしているのかもしれない。
ここから地味ながら意外に長い後半戦に入る。
笠松山まではスズ竹の多い荒れ気味の道。晴天で気温が上ってきており、こたえるメンバーも。一段ペースを抑えて本谷山に向かう。
偽ピークにがっかりしたりしながらも本谷山をクリアー。幕営予定のブナ広場を目指した。30分ほどで着くとみていたが、時間になってもたどり着けない。まだかよなどと思って下り続けたらようやく到着でき、ほっとした。
テントを張り、水を汲んだり体を拭いたりして各自思い思いに時間を過ごす。(写真・テント)長閑だ。楽園のようだ。縦走で何度かここを通り、そのたびにキャンプをしたいと思っていた場所だっただけに、大満足である。夕食後枯れ木を集めて焚き火を起こした。夜の帳があたりを包む中、小さな火を囲み語らいのひと時を過ごす。酒も料理もないが、なんとも豊かだ。20時ごろ就寝。
24日、コースタイム12時間の長丁場なので、下山時刻に余裕を持たせるには早発ちするしかない。このため3時起床4時出発とした。テントをたたみ、マルタイラーメンを食べてパッキング。食料が減ったので二人も身が軽くなったと言っている。雨模様ではないが、湿ったガスが時折吹き抜ける。真っ暗な縦走路にヘッドランプの光が揺れる。尾平越を過ぎ、古祖母山への登りの途中で明るくなってきた。
途中の岩から見渡すと、空は晴れているが、障子岳や祖母山の山頂部はガスがかかっている。古祖母山の山頂から、ガスで植物の葉が濡れているし、風も強いので雨具を上だけ着た。
縦走路では、シャクナゲやミヤマキリシマ、イワカガミなどの花が確認できた。
障子岳を下り、黒金山尾根分岐を過ぎればいよいよ祖母山への登りが始まる。ガスが取れ、岩の要塞みたいな祖母山頂が目の前だ。われわれの進み方と前後して晴れていくのは演出のようだ。祖母山着を9時と見ていたが、20分ほど早く到着。だれもいない山頂で写真を撮りあった。
晴れてはいるが、九重や阿蘇の展望はかすみが多く今ひとつだった。傾山もうっすらとしたシルエットだけ。左に目をやると、障子尾根が延々続く。まだあれが残っている。満足するのはまだ早い。
9合目小屋の下りに入ると、登山者が大勢登ってきた。あと少し遅れていたら、山頂を独り占めすることはできなかったであろう。
小屋で大休止し、水を補給する。小屋の奥からグローブの音楽が聞こえてくる。なんともいえない微妙な気分を味わう。
下りは宮原まではすれ違うのが面倒になるほど多くの登山者。宮原を過ぎれば、静かになった。ここからは急勾配のアップダウンの連続。ただ長いだけではない。下り基調であっても全く楽ではなかった。汗だくになってひたすら歩き続ける。大障子岩、前障子から見た祖母山はこれが九州の山かと思えるほど遠く、大きかった。
前障子から上畑への急な下りをこなし、集落に出た時は充実感がこみ上げてきた。通りがかりの登山者に3人の写真を撮ってもらった後、九折登山口を目指す。
完全縦走をうたうからにはここも徒歩である。3キロ程度だが長く感じた。
帰りは竹田駅前の温泉で汗を流した。浴場が広くておすすめである。
<感想と反省>(toku)
南阿蘇トレイルランに続き、ハードな祖母傾完全縦走に参加した。当初、完全縦走の意味も知らず、祖母傾は行ったことがないので、行きたいと思っての参加だった。
いろいろなホームページで調べてみると、九州でも、いや日本の中でもハードなコースらしい。
初めて買った大型ザック(60リットル)が使えるのでうれしいと思いながら、19kgのボッカ訓練などして、重さの感覚を味わってみたりしていたが、軽量化が必要だと感じ、どんなに重くても15kg以下になるようにしようと思っていた。
家を出るときは14.5kg、これで大丈夫と思ったが、登山前に共同装備を追加、水も少し追加して(計4リットル)、約17kgの重量に。九折登山口から傾山までの標高差1200mはきつかった。さらに軽量装備(45リットルザックがすかすか、たぶん10kgを切っているであろう)の島地瓶リーダーのハイペースでの笠松山の登りでは死にそうになった。
以後はリーダーがトップになるとハイペースになるのでテツ君と私が交互にトップを歩いた。
2日目は共同装備の米がなくなり、行程に水場が有ることから水も少なめ(2リットル)にして(ビールもなくなりました)、ザックの重量は約14kgに、かなり軽快に歩けた。
つくづく、軽量化の大事さが身にしみた山行であった。
しかし、天気がよく、祖母山からは自分たちが歩いてきた稜線を遥か遠くに見ることができ、充実感・達成感はとても大きかった。
前障子から下山し民家が見えるとホッとし、九折登山口に戻って自動車を見たときは本当にうれしかった。
前日に出発した登山口だが1週間ぶりに戻ってきたような感覚がわき、長く内容の濃い2日間であった。
(反省)
●持っていったけど使わなかった物
雨具(使わなかったけど必要)、シュラフカバー、レスキューセット(カラビナ、スリングなど)、水1リットル(4リットル中2リットルしか使わなかった)、着替えのシャツ・パンツ・靴下(パンツと靴下はもしものために必要?)、ライト(ヘッデンと別に持っていた)、無線機(携帯が通じた)、
●使ったけどいらないかなと思ったもの
ガスコンロ・燃料(団体装備があった)、大きいカップと小さいカップ
●いらないかもしれないけど削れないもの
ビール500cc (^^ゞ (反省が足りん?)
●ザックの使い方
まだ十分に使いこなせていない、パッキングもだめで、重心が偏って傾いていた。けっこう腰に負担が来た。
工夫すれば、12〜3kgくらいにはできそうである。
<感想>(テツ)
九州随一のハードルートである祖母傾完全縦走は、いつか挑戦してみたいと思っており、島地瓶さんに打診したのが4月位だっただろうか。それから一月ほどで決行となった。山行計画を練っていただいた島地瓶さん、同行していただいたtokuさんに感謝である。
天候に恵まれ。雄大な祖母傾の山々を眺めながらの縦走となり、とても思い出深い山行となった。ザックの重さに慣れず、きつい場面もあったが、やり遂げた達成感できつさは忘れてしまうような、充実した濃密な2日間であった。厳しさの伴う山行は不安が付きまとう反面、達成感はすばらしいものがある。たまにはハードな山行で自分に挑むのも良いものである。
<感想>(島地瓶)
祖母傾の縦走を初めて計画したのが高校2年か3年の夏。親に止められ未遂に終わった。大学に進み九州を離れていたので実際に行けたのは社会人になってからだった。それでも障子尾根がトレースできずにいた。長い上に道がよくないという情報もあり、気が進まなかったからだ。ところが、日向神の帰りにテツさんが「祖母傾に行ってみたい」というので、目の上のタンコブも片付けようと、本格的に暑くなる前をねらって計画した。体力的な問題はないと踏んでいたが、重い荷物を担ぎながらも縦走を楽しみ、さらにコースタイム通りの時間で行動できた2人の力あっての成功といえるだろう。
大崩方面への継続、ワンデイ縦走など、まだ挑戦しがいのある課題は残っている。今回の山行が次へのステップになればと思う。
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