| 山行報告 |
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【報 告 者】 | yamaaki、フジミ、toku、リリー |
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【日 時】 | 2009年8月9〜11日 |
【参 加 者】 | yamaaki、フジミ、toku、リリー |
【コースタイム】 |
8/8:(車)植木IC 17:00−飛騨清美IC −平湯温泉(タクシー)8:15−上高地8:40
8/9:上高地9:00−徳沢11:30−横尾12:45−横尾谷−涸沢16:00(テント泊)
8/10 :涸沢6:00−北穂高岳9:00(〜10:00)−A沢コル11:30−長谷川ピーク−南岳13:45(テント泊)11:50 前障子13:24 上畑15:33 九折登山口16:34
8/11:南岳5:00−中岳6:30−大喰岳7:15−槍岳/槍岳山荘8:00(〜9:00)−殺生ヒュッテ10:30−水俣乗越分岐12:00−槍沢ロッジ13:00−横尾14:15−徳沢−上高地16:30
8/12(車)平湯温泉20:30−8/13植木IC15:30
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【天 気】 | 晴れ
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【編 集】 | yamaaki
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【北アルプス縦走】(2009/08/9-11)
全般(報告者:yamaaki)
土日祭日の高速代が1000円となり気軽にアルプスへ行けそうになった。チャンスとばかり、お盆休みに穂高槍縦走を企画したところ4名が集まった。北アルプスへは2年前に会の遠征で剣岳へ行ったが、穂高や槍ヶ岳も行ったこと無かったので是非行きたかったところだ。ただ、今年は8月になっても梅雨がなかなか明けず、会の遠征も中止となり暗雲が垂れ込めていたところ、太平洋高気圧の勢力も強まってきて次第に梅雨明けが進んでうまく決行にこぎつけた。
どのコースがベストか、高速道路の渋滞はどの程度か、午後に発生する雷は大丈夫か等、考えると不安要因は多かった。また、参加者全員が始めてのルートであるというのも不安要因の一つではあったが、楽観的でエネルギッシュなメンバーに後押しされ、また天候にも恵まれて、素晴らしい北アルプス縦走(キレット越)山行となった。
1日目(8/9)
上高地9:00−徳沢11:30−横尾12:45−横尾谷−涸沢16:00(テント泊)
8/8の夕方に熊本を出発し4人で運転を交代しながら夜の高速道路をひた走る。思ったほどの渋滞もなく、8/9の朝に予定通りの時間にメンバー揃って元気に上高地に到着した。上高地は多くの観光客と登山客で賑わっていた。初日は残念ながら雨模倣の中、早速、上高地を出発した。横尾までの道は平坦だったが雨の中の歩行はなかなか息が上がらなかった。
午後になり横尾から槍ヶ岳方面との分岐を左の涸沢方面へと進むと、雨も止み空も明るくなって左前方に大岩壁の屏風岩が見えてきた。道は次第に傾斜を増し体への負担も自覚されてきた。更に高度を上げていくと2300mを越えたあたりから雪渓が現れ、今日の幕営地である涸沢に達した。
午前中の雨の時とうって変わって雪渓の雪にメンバーの顔がほころんでいた。疲れも一瞬のうちに吹き飛んだ感じだ。涸沢の幕営地はすでに多くのテントでいっぱいで、下に敷く板も品切れだったがなんとか適地にテントを張った。涸沢ヒュッテ(山小屋)のテラスで1杯800円の生ビールを片手に、夕暮れ前の前穂、奥穂、北穂と続く穂高連峰を眺め、なんとも贅沢な時間がゆっくりと過ぎて行く。テントに帰ってうたた寝していると、夕闇迫るテントの外でtokuさんの大きな声がした。出てみると真っ赤に焼けたアーベントロートに染まる穂高連峰が見事だ。明日の晴天を約束してくれたようだ。
2日目(8/10)
涸沢6:00−北穂高岳9:00(〜10:00)−A沢コル11:30−長谷川ピーク−南岳13:45(テント泊)
二日目の朝2時半に目が覚めてみるとテントの外は満天の星空と化しており、夜があけると真っ青な空が広がっていた。
最初の計画では、二日目は涸沢からザイテングラートを経て白出コルに出て稜線を北穂〜キレット〜南岳〜中岳〜槍と進む予定だった。二日目に入り晴天とは言え午後にまた天候悪化するとも限らず、予定のルートではキレット通過が午後になる可能性が高いため、予定を変更して涸沢から北穂高へ直登することにした。
前穂高〜奥穂高〜涸沢岳と3000m級の岩峰地帯の稜線にグングンと近づいて行く感動はなんとも言えなかった。色鮮やかなテントの花咲く涸沢が次第に小さくなる。天にも昇る気持ちとはこのことだなと実感! そしてかなりの急勾配を上り詰めて北穂高の山頂に立った。
山頂には北穂高小屋がありその向こうにこれから行く地獄の3丁目の大キレットのルートが手に取るようにわかった。単に両端が切り立っているだけだなと頭では判っていても、落石・浮き石の宝庫と化した飛騨泣きや長谷川ピークといった所はやはり難所だ。毎年死亡事故が起きていることが頭をよぎる。慎重に通過しなければならない。ここで膝の故障をかかえるフジミさんはキレット通過を断念することを決めた。フジミさんとは、翌日、合流することを約束し、リリー、toku、yamaakiの三人だけで槍ヶ岳方面へ向けて出発した。
キレットは逆方向から登ってくる人が多かった。自己の滑落の危険の他、他人への落石のリスクが重くのしかかり慎重に下らざるを得なかった。何とか難所を越え、南岳への登りに入ることができた。ほぼここでキレット通過も8割方終了かと思われたが、意外にも、南岳へ達する岩場の登りはきつく感じた。予想以上にキレットで神経を使ったのかも。
南岳まで来ると槍ヶ岳が手に取るように近くに見えたが、やはりここも大事をとって本日の槍ヶ岳までの行程を諦め、この南岳小屋テント場で2泊目をすることにした。午後2時前に着いたので早めに夕食をとったりした。残念ながら今日は生ビールではなかったが缶ビールの味はやはり格別であった。あいにくテントを張ったあとから霧が出て風雨となったが、夕方近くになると天候が回復し、キレット、穂高、ジャンダルムと続く北アルプス屈指の銃走路を飽きるほど眺めることができた。
3日目(8/11)
南岳5:00−中岳6:30−大喰岳7:15−槍岳/槍岳山荘8:00(〜9:00)−殺生ヒュッテ10:30−水俣乗越分岐12:00−槍沢ロッジ13:00−横尾14:15−徳沢−上高地16:30
最終日はこれまでで一番長い距離を歩くこととなった。二日目の段階で最終目的地の槍ヶ岳まで達してなかったが、そこまで行けば後は下山ルートとなる。南岳で日の出を確認した後、ほぼ直線状に続くに槍までのルートを進んだ。槍を真正面に見据え、左手に傘ヶ岳から続く緑の稜線と青い空のコントラストの素晴らしい景観の中、朝日を浴びて颯爽と歩く、そこはまさにアルプスの楽園である。
槍までは特にきつい岩場も少なく、中岳、大喰岳へと進んだ。槍まで来るとぐっと人が多くなったが、やはり人気の槍ヶ岳なのだ。槍の頂へは槍ヶ岳山荘にザックをデポして登った。頂からの眺めは抜群で360度の大パノラマが味わえた。今まで通って来た穂高からの縦走路、新穂高温泉の傘ヶ岳方面、西鎌尾根、東鎌尾根、北鎌尾根、大天井岳からの表銀座の尾根など、槍に達する峰々が一望できた。全ての峰は槍に通じるんだと実感! それにしても西穂高からジャンダルム・キレット経由で中岳に一泊して朝方槍に着いたというお兄さんにはびっくりした。
槍から上高地までは長い長い下りが待っていた。上高地までの下りの標高差は約‐1500、距離としては20k弱もある、ほとんど単調な下り一辺倒のルートだ。途中、槍沢の雪渓に発する雪解けの沢やニッコウキスゲなどが咲くお花畑がその単調さを補ってくれた。上高地から直接、この槍沢経由で槍を目指す人が多いが、登りの単調さはもっと大変だなと感じる。初日にこのルートで槍を目指すことも考えたが、とても一日では槍までたどり着ける自身がなかったので止めにした。
単調な下りに耐えきらなくなったのか、はたまた、フジミさんとの合流時間を気にしてなのか、横尾からは早足での競争となった。横尾−上高地間は観光客の数も多く汗をだらだら流して早足で歩く僕らはいささか滑稽に映ったに違いない。幸いに、フジミさんとは上高地で無事合流できた。聞くと、2日目は北穂から奥穂へ縦走されザイテングラード経由で涸沢へ降りて宿泊し、3日目は再度、北穂へ登られたようす。しばらくして4人全員が上高地に到着しメンバーの再会と無事の下山を称えあう。
帰りは予約してあった運転手(川上哲治さん)のタクシーに乗り平湯温泉まで行き、温泉に入った後、飛騨牛焼肉の夕食で北アルプス縦走のフィナーレを飾った。
高速道路1000円は大変ありがたいものだったが、その日の夜出発して名古屋・大阪付近で何度も渋滞に巻き込まれ、九州に着いたのは次の日の夕方だった。連休が続いていたし、大遠征を成し遂げた達成感と充実感はそれを差し引いても尚十分余りあるものだったし、多少のことは大目にみれたのかも。参加の皆さん、おつかれ。また行きましょう!
感想(報告者:リリー)
南当初、今年の夏の会山行は「北アルプス♪ 西穂高岳〜ジャンダルム〜奥穂高岳の縦走」の予定であった。でも、やはり予定は未定であり、お天気に阻まれあきらめざるを得なかった(;−;)yamaakiさんが高速料金1000円を利用してお盆前に槍ヶ岳に行くと聞き及んではいたが、そんなに休みはありません!とこれまた諦めていたところに職場から突如2日間のリフレッシュ休暇を取ってよいというお達しが (^^♪
お盆休みとくっつけたら・・・ ヤッター! 行けるじゃないの♪♪♪
早速yamaakiさんに連絡をとり、紅一点仲間にいれてもらうことに。
念願の北アルプス、しかも憧れの「北穂高岳〜大キレット〜槍ヶ岳」だし(*^^)v
嬉しいー♪
今年の夏は冷夏で、出発の日が近づいても一向にお天気が回復する見通しが立たない。
毎日、天気予報を見ては天の神様に祈るばかり。今年はダメかも・・・と、半ば諦めかけていたけど yamaakiリーダーは私より諦めが悪かったみたいで「決行する!」との連絡が入る。
出発当日は、もも太さんがお見送りに来てくれて「安全に帰ってこれますように!」とメンバー全員に健軍神社からお守りをいただいてきてくれた。ありがとうございました。本当に嬉しかったわ。きっと神様が守ってくださったのね、静岡の地震も影響がなくお天気にも恵まれ初日以外は快晴でしたもの。
雲ひとつない澄み切った空を見上げながら槍ヶ岳まで登りつめ、そんなには広くはない頂上で360度の大パノラマという素晴らしい至福の時も満喫できたし。
反省は、重大な忘れ物をしたこと。
それは、登山靴。 オォーなんたること!!
でも、根が楽観主義なのか(マルチ用のクライミングシューズがあるから大キレットはどうにかなるかも・・・)と、そのまま運動靴で槍ヶ岳に登ってしまいました。
もちろん、大キレットは履き替えましたよ。
代償として帰りの長い下り道で爪が圧迫を受けて、両脚の親指と右の小指の爪が黒くなってしまったことがちょっと悲しい。
でも、それも頑張った証であるかなぁ〜(^−^)
ご一緒してくださったyamaakiさん、tokuさん、フジミさんお世話様になりました。
tokuさん、帰りは河童橋まで迎えに来てくださり迷子の子ヒツジは救われました。
ありがとうございました。
感想:フジミのその後(報告者:フジミ)
この遠征の1週間前、ボッカ訓練と思い2Lペットボトル×5に水を満たしザックに詰め込んで、いなけいさんと傾山に登ったところ膝が痛くなり(バカだ・・・)、そのまま本番を迎えた。初日の涸沢への登りで案の定、膝痛が再発し不安を抱えての2日目となった。
2日目の北穂への登りもかなりきつかったのだが、信じられないことに膝痛は出なかった。北穂頂上ではすでに雲が沸いていたものの初めて見る槍の姿に感動した。北穂小屋で休んでいる間、キレット通過に参加するか、単独で涸沢に降りるかずっと迷っていた。キレットでもし膝痛が出たらとんでもないことになる、と考え結局3人とは分かれることにした。
3人を見送りひとり北穂頂上で1時間ほど過ごすうち、せっかくここまで来たのだからもう一つ登ってやれ、という気になり、3人とは逆に縦走路をたどり涸沢岳、奥穂高岳を登頂することにした。膝痛が出たら出たときだ!という気分だった。
コースは、北穂〜涸沢岳〜穂高岳小屋〜奥穂高岳〜ザイテングラード〜涸沢。
ひとりで行動すると3人の素敵な女性との出会いがありました!順に報告します。
素敵な女性@、キレットより歩きやすいとはいえ、ひとりで結構不安なまま北穂から出発した。歩き始めて1時間ほどたちほとんど登山者とも会わないとき、ちょうど割と楽なところでソロの若い女性が向こうからやってきた。サングラスをかけ、お顔はわからなかったのだが、何となく人恋しくなったのか「これから先、初めてのコースでひとりなのですが大丈夫しょうか、危険な箇所はないですか」とつい話しかけてしまった。すると、とても的確なアドバイスをしてくれ、「若い女性でソロとはすごいな、かなり山をやってる人かな」などと思った。そしたら、つい20分くらい前、この先の“最低のコル”で休んだとき、なんと水筒を置き忘れてしまった、それを確保してきてくれませんか、とのこと。涸沢に幕営するのでそこで渡す約束をした。「え?今日これから先の水は?」と聞くと、「すみません、一口飲ませてください」と言うので、予備のペットボトルをそのまま1本あげた。夜、涸沢でテントを訪ねてきてくれ、命の恩人です、とえらくお礼を言われ、感謝されてしまった。山では困ったときはお互い様ですね。
素敵な女性A、女性@と分かれたあと、鎖場、ハシゴの続く難所が次々現れる。父と小学3年生くらいの女の子の二人組だった。かなり狭く厳しい岩場で、お父さんが先に降りてきて女の子が降りているとき、ちょうど私がその登りにさしかかった。岩場を見上げ、女の子とすれ違うスペースはあると判断し、登りはじめた、その岩場の中ほどで女の子と並ぶかというところで、女の子が急に「すみません、肩貸してください」と小さく叫び、ぼくの肩をホールドにして降りていった。印象的な一瞬の出来事だった。降りた女の子にお父さんが苦笑しながら「おまえ、知らない人に・・・」と言っているのが聞こえた。
素敵な女性B、3日目朝、また快晴である。2日目の北穂頂上で雲が湧いていたことだけが心残りで、涸沢にテントも荷物もほとんど置いたまま再び北穂に登ることにした。5:30に涸沢を出たが空身のため7:30には北穂頂上に立ち、念願の360°の展望を得た。昨日も休んだ北穂小屋に行くと、なんと田部井淳子氏がNHKの番組の収録中。その後北穂頂上でスタッフとともにヘルメットを装着しておられ、縦走される様子だった。思いがけず日本を代表する女性クライマーに会えるとはびっくりだった。
その後、涸沢に下り荷物をまとめ、1日目に来た登山道をそのまま下り、上高地で3人と合流した。本当にお世話になりました。ありがとうございました。山をはじめておよそ15年、これまでで一番の山行でした。大満足です。
感想(報告者:TOKU)
北アルプス遠征行ってきました。感動でした!!!
みなさんには大雨・台風・地震とご心配いただきありがとうございました。大雨の初日と打って変って、2,3日目は快晴の素晴らしい山行で、大キレットも余裕をもって行くことができました。
槍ヶ岳にも登って、360度の大パノラマを堪能することができ、本当によかったです。
しかし、帰りの高速は下山が遅れたため、お盆帰りと1000円高速と事故が重なって、大渋滞、40kmの渋滞にもろに引っ掛かって1時間のところが3時間、そのほかにもちょこちょこ渋滞にかかり、19時間かけて帰ってきました。御同行のみなさん、お疲れ様でした。
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