あそ望山岳会
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山行報告
【報 告 者】リリィ 写真
【日    時】2009年9月27日(日)
【参 加 者】キーボウ、リリィ、yamaaki、フジミ、
【コースタイム】 取り付き 9:00 終了点12:10  下山12:45
【天   気】曇りのち雨
【編   集】フジミ


【比叡山マルチピッチクライミング】(2009/09/27)

久しぶりのマルチ。と言ってもまだ今回を含めて5回目だ。
前回は、ナックルスラブ(だったような気が・・・ ルートを途中で間違えてしまったので定かではない)の内、2ピッチをリードさせていただいた。 初リードという緊張もあってか、ビビリまくりで嫌な汗をかいた思い出がある。
パートナーのYamaakiさんは、もっと嫌な汗をかいたことだろう。 はっきり言って良く分かっていなかった部分もあったと思う。
そんな前回の反省から今回は事前の準備に余念がなかった。
つるべのために必要不可欠なフォローのビレイも県体壁の金網で何回も練習した。
もちろんパートナーの命を預かる重要なことなので家でもしっかりと復習した。マルチの手順も書き出して会長にアドバイスももらった。 新たにスリングも購入したし、日向神でフリークライミングをして外岩の感触を体で感じてもきた。
今の自分にできることの大半はしたうえで、マルチに臨む。
それでも、不安を1つ胸に抱えていた。

空模様は曇り空。天気予報もあまり芳しくはない。
奇数ピッチをyamaakiさん、偶数ピッチをリリィ。
当初の予定では、会長から第1スラブスーパーを行くようにと指示が出ていた。
が、2ピッチ目リリィリードで本来はすぐに左側にトラバースしていかなくてはならなところ左はなんか恐ろしげな感じだし、直上してからトラバースしようとして一旦は左に出たものの何の気なく振り向いた右斜め上にキラキラ光るピンを発見。
この時点でトポは吹っ飛んだ。ピカピカの方に引き寄せられるように逆戻りしてしまった。
ピッチを切ってyamaakiさんのビレイをしていたら、隣の第2スラブを登っていた会長からルート間違いを指摘される。
1スラノーマルに来てしまったようだ。
またもややってしまった。不安的中である。ルート取りの難しさを感じる。
元来が方向音痴なのであるが、本当に難しい。
yamaakiさんは1スラノーマルを以前に登ったことがあるようなので申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


3ピッチ目は尖がった岩をずっと登っていく。
50mのロングピッチだがyamaakiさんリードで順調に。
つるべは、ロープやギアの受け渡しをしなくてよいので時間の短縮になることを実感する。
ブッシュ帯にはオレンジ色のユリがたくさん咲いている。
ここまで来ると高度感も抜群だ。
困ったのは大きな蜂が1匹ブンブンと体のまわりを飛んでいて、また刺されるのではないか?という恐怖に駆られたことだ。

4ピッチの途中から霧雨が降りだした。
すぐに止んだほしい。との願いも届かず岩は濡れそぼっていく。
亀の甲スラブを避けるようにルートがとってあり、逆コの字になったのでロープの流れが悪いうえロープ自体も濡れだしてとにかく重い。
もうすぐピッチを切れるかというあたりでちょっと難しい場面があり困ったが、自分がリードしている以上先に進まないわけにはいかないので、頑張った。
どうにかなるものなんだなぁ・・・としみじみと思う。
メンタル面で強くなったことが今日の収穫だ。


5ピッチ目は終了点前の岩を左に回り込むのでロープの流れが悪くなったようでyamaakiさんがロープを岩の上にのせるため戻ってきて、そんな方法もあるのだと感心。
やはり経験値が私とは全然違うのだ。
ニードルの上に、ゼルプスさんとますもさんの姿が見える。
あんなすごい所に登るのだから、凄い!としか言いようがない。

6ピッチ目は25mくらいの短いピッチだ。
行けども行けどもピンが見当たらない。
茶色のピンなら岩と同化して見つけられなかったのか?
結局最後までフリーで来てしまった。
今考えるとぞっとする。
雨も降っていたし、落ちなくて本当に良かった。

7ピッチ目は濡れた岩をyamaakiさんが、「雨でグレード上がっているよね。」
と言いつつ慎重に登っていく。
やはり、当たり前だが雨の中のクライミングはあまり気持ちの良いものではない。霧で真っ白になった下は見ないで前の岩だけに対峙しよう。

最終ピッチはリリィ。
上から、キーボウさんが顔をのぞかせている。フジミさんの声援も聞こえる。
もうちょっとだと思うと元気が出る。
yamaakiさんが登って来たところで、ガッチリ握手をして終了。

yamaakiさん、練習の時からお世話になりました。
ありがとうございました。
おかげでとても良い体験ができました。
つるべをしてみて、ますますマルチが大好きになりました。

靴を運動靴に履き替えて下降路を行く。
しかし、これがまた比叡山のおもてなしなのかアルパインクライミングなのだ。
確かにここはクライマーしか通らないだろうけど、鎖もロープも何もない。
ちょっと油断したら・・・。
クライミングしている時はロープでしっかりと確保していただいているが下降路はそういう意味でも危険が大きい。
慎重に充分注意しなくてはならない。
マルチが済んだからといって気は抜けないのだ。

    
山行報告
【報 告 者】フジミ 写真
【日    時】2009年9月27日(日)
【参 加 者】キーボウ、リリィ、yamaaki、フジミ、
【コースタイム】 取り付き 9:00 終了点11:50  下山12:45
【天   気】曇りのち雨
【編   集】フジミ


初マルチでした。
この日以前、正直言って、マルチはあまり気がすすみませんでした。理由はやはり“怖い”ということです。
@スポーツクライミングではビレイヤーはとりあえず地面にいる。マルチはみんな高いとこにいる。ボルトが抜けたらどうするの。というか、どうもならないんじゃ?
Aスポーツクライミングではボルトも信頼おけそうだけどマルチはそうでもないらしい。
Bビレイの準備、ロープの引き上げ、ギアの受け渡し等々、手順が多く面倒そう。
Cとにかくひとつのミスが死につながる?
などの理由です。

だいたい、マルチ未経験者は同じような感想を持つのではないでしょうか。
何度かほんの2、3ピッチの練習はさせて頂きました。もちろんセカンドのみ。
苦手なのはボルトに全体重をふつうにかけ、体を預けることです。
バックアップも取るのですがそれでも今これがぬけたらサヨウナラ〜って感じがどうも・・・
正直、バックアップを4つも5つも取りたい気分でした。
キーボウさんと練習したとき、ぼくが体を預けきらず狭いテラスになんとか“立って”いたところ、
「体を預けないとダメ、効いてるかもわからないし、もしリードが落ちたとき
最初から張っておかないと衝撃荷重のほうがずっとやばい」と教えられました。
効いてるかもわからないって、効いてなかったら?
と思ったけど、なるほどとも思いました。

さて初マルチ当日、もう相当覚悟は決まっていたのですが、行きの車の中でyamaakiさんに最後のマルチの疑問をいろいろぶつけました。
すると、比叡の今日のルートはボルトも整備されている、2人はロープでつながっており万が一の時もどちらかがどこかで止まり、2人ともが落ちることはきっとないものだ、
などと教えてもらい少し安心してキーボウさん、リリィさんの待つ比叡山の取り付き点直下の駐車場に着きました。
さて、ギアも身につけいよいよマルチ開始、キーボウ、フジミペアはダブルロープを使用したのですが
これがまた初めての経験で、ATCの穴が2つあるわけがはじめてわかりました。

1ピッチめがどうのこうのとかいった詳しいことは、すでに記憶がないのでおおざっぱな報告になりますが、
とにかく雨が降り出すまでは快適なクライミングでした。
ただセカンドのぼくが回収したヌンチャクをキーボウさんに渡し忘れ、
ダブルロープの1本にくくりつけてすでに10mほど登ったキーボウさんに渡すという
ヘマを2回もやってしまいました。反省・・・


各ピッチの難しさは、普段のスポーツに比べると当然易しくとにかく長時間の岩登りが楽しかった。
難しいあたりでは、高いところにいる恐怖心も消え、
目の前3mだけに集中している感じでした。
ビレイポイントのボルトはぴかぴかときれいで、体重をかけ体を預けることもなんとかできました。
まだまだ怖くていい気持ちはしないけど。

横を見るとyamaakiさんとリリィさんも奮闘中。
リリィさんは初リードということだったけど落ち着いて、十分余裕があるように見えました。
雨が降り出して最後の2ピッチあたりはフリクションも最悪で足のかかるところを探すのがたいへんでした。
スポーツクライミングと違い、こんな高いところで落ちたくないという気持ちが強く働きます。
登り切って、キーボウさんと固い握手!初マルチ体験はほんとうに楽しかったです。

不確定要素が多く何が起こるかわからない点、さまざまな手続きが面倒な点などすべて含めて、
大自然の巨大な岩をそのまま味わうマルチの魅力がよくわかりました。初めてのマルチ、キーボウさんのリードで
安心して楽しめました。
キーボウさんには簡単すぎて面白いルートではなかったと思いますが、
ご指導ありがとうございました。ぜひまた、お願いします。
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